ケージやクレートを用意しようと思うと、「どれくらいの大きさがよいのだろう」「ずっと入れておくものなのかな」と、少し迷うことがあるかもしれません。
けれど、まず大切なのは、立派なものを急いで選ぶことではなく、その犬が家の中で落ち着いて過ごせる場所をどうつくるか、ということです。ケージやクレートの役割をやわらかく整理してみましょう。
ケージ・クレートは、安心できる場所のひとつ
ケージやクレートは、留守番のときだけに使うものではありません。家の中で少し距離を取りたいときや、来客中、掃除のあいだなどに、犬が落ち着いて過ごせる場所として役立つことがあります。
屋根のないサークル、屋根のあるケージ、持ち運びを考えたクレートなど、形はいくつかあります。どれがよいかを先に決めるよりも、家でどのような場面に使いたいかを考えると、選ぶ基準を整理しやすくなります。
クレートは、通院や移動、災害時の避難などで使う場面も考えられます。環境省も、日頃からケージやキャリーバッグに入ることに慣れておくことを、災害への備えのひとつとして案内しています。
選ぶ前に、3つのことを見てみる
01|犬が無理なく姿勢を変えられるか
中で立つ、横になる、向きを変えるといった動きが無理なくできるかを見てみましょう。寝床やトイレを置く場合は、それらを置いたあとの空間も確認しておくと安心です。
成長途中の犬であれば、今の体格だけでなく、これからの大きさも少し考慮しておくとよいかもしれません。具体的な寸法だけで決めず、実際の姿勢や暮らし方に照らしてみることが大切です。
02|日々の手入れを続けやすいか
ケージの中は、毎日過ごす場所のひとつになります。床まわりを拭きやすいか、トイレや寝具を出し入れしやすいか、扉を開けたときに家の動線を妨げないかも見ておきたい点です。
清潔に保ちやすいことは、特別な工夫ではなく、毎日を無理なく続けるための条件のひとつです。
03|家の中で、落ち着ける位置に置けるか
人の出入りが多い場所や、大きな音が続く場所では、落ち着きにくい犬もいます。一方で、家族から離れすぎると不安になりやすいこともあります。
最初から置き場所を固定せず、犬の様子を見ながら、明るさ、音、風の通り方、家族の動線を少しずつ調整してみる方法もあります。屋根の有無も、飛び出しが気になるか、上から物が落ちる心配があるかなど、使う環境と合わせて考えてみましょう。
「入れる場所」ではなく、「戻れる場所」に
ケージやクレートを、何かを我慢させるための場所として考えると、お互いに少し緊張してしまうことがあります。
中で休めること、好きな寝具があること、静かに過ごせること。そのような経験を少しずつ重ねることで、犬にとっても「戻って休める場所」になっていくかもしれません。
すぐに上手に使えなくても問題ありません。その犬のペースを見ながら、扉を開けたまま置いてみる、短い時間から慣れていくなど、暮らしに合う形を探してみてください。
家と犬の様子に合わせて、見直していく
犬の成長や家族の生活リズムによって、必要な広さや置き方は変わります。迎えたばかりの頃、留守番の方法を考えるとき、引っ越しや模様替えをするときなどに、改めて見直してみるのもよいでしょう。
ケージやクレートは、正解を一度決めて終わる用品ではありません。家の中で安心して過ごすための場所として、その犬と暮らしに合う形を、少しずつ整えていければ十分です。
環境省|ペットの災害対策
日頃からの備えや、ケージ・キャリーバッグに慣れることについて確認できます。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html
ケージやクレートの大きさ、屋根の必要性、使う時間は、その犬の体格や健康状態、住まいの環境によって異なります。購入前には商品ごとの公式説明書・対象サイズ・注意事項を確認し、迷うことがあれば譲渡元や獣医師にも相談してみましょう。